2019年度全国農業新聞連載「戦略論の裏の裏側」Ⅷ

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★「+地域」という最終目的
★理に適うリーダーはいるか



 農業界が地域戦略で失敗する最大要因の「組織編制」――当連載ではその背景的な理由を数回にわたって書いてきたが、編制の際の「トップ選出」という点に関しては書き足らないことがあったので、再度、この件について触れておきたい。

 それは、言葉を換えれば「いかなる人材が地域戦略のリーダーにふさわしいか」となるが――ともあれ前段としては「改革への意欲に満ち、戦略の意義も理解する参画者が結集して曲りなりにも組織の構成員が決定した」と仮定しよう。
 
 当然、次の段には「誰をリーダーに選ぶか」という話になるが、連載5でも書いたように「年功序列」や「先任制」の発想による選出はすでに論外だし、自薦他薦による選出も安易に過ぎると言わざるを得ない。

 なぜならば、地域戦略は、個別の経営戦略と比べたら、自己分析や情勢判断の対象範囲や規模が圧倒的に大きくなるからで、それは「目的」の一つを取り上げても容易に理解できるだろう。

 個別の経営戦略なら「個人か組織の利益追求」でよいが、地域戦略は組織や構成員個々に加えて、「+地域」の利益追求も責務になってくるからである。

 「+地域」とは文字通り、産業振興や人材育成、果ては歴史文化や教育福祉、住民生活の充実など、地域全体の発展を意味している。早く言えば、地域農業を核にいかにして地域に幅広く寄与・貢献していくか――それが地域戦略の最終的な目的だと言って良い。

 ゆえに、戦略構想の中にも随所に「地域に対する寄与・貢献のための作戦・戦術」が含まれるから、いかに経営感覚が優れていようとも「自分本位」のような人物ではすでに失格だ。

 次代の環境変化を的確に予見し、構成員を統率しながら戦略・作戦・戦術を柔軟に指揮して、自組織や地域農業はもちろん、幅広く地域に寄与・貢献して全体的な発展を目指す――そこまでの視野と見識、想像力や指導力、意志力を持つ人材こそがリーダーに就くべきことを示している。

 そうした目で読者も、周囲で活動する地域戦略関連の組織や団体、第三セクターを眺めてみるといい…。理にかなった人材が真にリーダーとして選出されているのかどうか――残念ながら、政治的工作や官僚的慣習による選出さえ氾濫していて、その答えが決して芳しくないことを、筆者はすでに知っている。(つづく)

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