2019年度全国農業新聞連載「戦略論の裏の裏側」Ⅳ

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★独特の平等意識と唯我独尊
★スタッフの自覚無き構成員



「政略」に並んで、戦略が失敗するもう一つの最大要因「組織編制」――そこには大きく分けて「農業界独特の平等意識」と「普遍的な心理」、この二つに起因する落とし穴が見られるが、まずは前者について、今回と次回、詳細に述べたい。

 組織編成時に「農業界独特の平等意識」が阻害するもの…それは一口に言うなら「階層性」である。
 通常、いかなる組織でも編成と同時に、おおよそトップ(大将)・ブレーン(参謀)・スタッフ(兵卒)といった階層性が決定される。
 また、それによって各自の役割と任務も明確化し、階層性による指示系統の下で一致団結しながら、戦略・作戦・戦術を柔軟に実践していくのが「組織本来の姿」ということになろう。

 だが、農業界の場合、こうした行動組織を発足するために参画者が集まったとしても、この階層性を決める人選段階で早くも躓く。
 平等意識が強いから、上・下の序列を決定づける階層性そのものにアレルギー反応を起こしやすい。
 加えて、家に帰れば全員が「社長同然」だから、平等意識とは裏腹な「唯我独尊」の意識も強く、それが互いにけん制し合うような感情にも発展するのか、余計に人選が困難になる。

 いや、仮に「全員の評決」でなんとか人選して階層性の上・下をどうにかこうにか決めたとしよう。だが、それでも次のような問題が残ることになる。

 それは、各ポジションに与えられた役割と任務を、各自が本当に理解しているのか、という問題だ。

 たとえば、階層性の末端を担う実働部隊のスタッフ――つまりはトップから指示を受ける大部分の構成員であるが――このスタッフたちに「部下としての役割と任務を果たす」という自覚があるかと問えば、「ない」と言った方が正しいだろう。

 表面的にはトップの指示に従うように見えても、いざ本格的な実動段階になると、何を命じても「多忙」や「都合」を理由に動かない。動くとすれば、それは自分にとって「目先の利益」が見える戦術実施の時だけだ。

 ふだんから「社長同然」で、誰かの指示で動くといった経験がなく、すべての判断と行動は自己決定するという習性が身についているから、そうした状況になるのもやむを得ない面かもしれないが、しかし、この意識レベルが続く限り、永遠にスタッフとしての役割と任務は果たせない…。
 
 さらに、こうした意識の問題は、組織を統括すべきトップにも及ぶ。トップとしての役割と任務を自覚する人物が本当に選ばれているのかどうか――という問題である。(つづく)

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