2019年度全国農業新聞連載「戦略論の裏の裏側」Ⅲ

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★地域の存続さえ危い環境?
★農業の活性化掲げる政局を




 農業戦略が失敗する最大要因の一つ「政略」についてだが――まずは、そんな政略などとはほど遠く、地域の存続さえ危いような状態にある政治的環境を以下に掲げてみたい――。

①「怨念」渦巻く政争の地域
 二大政治勢力が対立し、政争の怨念が渦巻く地域。政権の取り合いで首長が目まぐるしく入れ替わり、その都度、現職が前任の実績を全面否定。ゆえに長期スパンの戦略が推進されていた場合、政権交代時につぶされる。要は「足の引っ張り合い・つぶし合い」で、こうした政争は「首長vs議会」に変化する場合もある。

②「いい人」選ぶ妥協の地域
 群雄割拠の政治勢力で団結しないが、政局を決する首長選では各勢力の既得権益を侵さない点で一致し、妥協の産物で「(どうでも)いい人」を選ぶ地域。首長に哲学や理想もなく、各勢力の権益を干犯しないように政局を運営するだけだから進化なく、時代とともにガラパゴス化していく。

③緊縮財政「呪縛」の地域
 緊縮財政を金科玉条のごとく掲げて、首長が新規の施策を却下し続ける地域。ムダ金の排除はよいが、その呪縛が長年続くと、「何もしなくて良い行政」「働かない行政」が恒常化してしまい、いざという時に政局が新規事業を提案しても、行政そのものがまったく動かなくなっている地域。

④「後継者<」の地域
日本人の特質なのか、経営も政治も、後継者には自分より劣る人材を選択するケースが多々。ゆえに首長や議会が代を重ねるたびに「小なり」(小粒)へと変貌。時代の進化についていけず、徐々に発展から停滞、低迷へと転落していく地域。

 ――ともあれ、こんな政治的環境にあるならば、地域の将来を語るどころか、行政マンにも「やる気ゼロ」「面従腹背」が蔓延して、早晩に地域は崩壊する。

 地域を存続したいのなら、まずは根本からこうした環境を浄化し、次代を見据えた住民本位の政局と行政を作ること…それが先決だ。
 その上で、農業戦略の前提となる政略を講じるとするならば、「農業の活性化」「農を核とした地域連携の産業創出」を第一義に掲げるような人材たちで政局を固めていくことだろう。

 もちろん高齢化や少子化で老人福祉や子育て支援も大切だが、地方政治もしょせん地域産業あっての話。経済的な裏付けがなくては単なるバラマキに終わる。

 理性ある政治的環境の下で産業振興…中でも農を核とした地域産業の振興を掲げる政局を創出すること…それが農業戦略の前提としての政略になってくる。

 さて、読者の地域はどんな政治的環境だろう? 政略が講じられるようなレベルにあるのかどうか…まずは、それを見極めることから始めてほしい。





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