高木響正の戦略的提言

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zoom RSS 2016年度全国農業新聞連載「地域農業のプル戦略」No.09

<<   作成日時 : 2017/05/11 19:14   >>

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★善処策の戦術二つを提案したが
★実行されないままに施設は開業





 戦略・作戦など「遠い対岸の火事」みたいな話で、「前段作戦」も遅々として進まなかった理由――それはB町が有数の稲作地帯だったからだろう。
 減反に米価下落…ゆえに稲作農家にとっていっそうの重要課題は「反収の向上」だ。生産性が悪く、反収が減るうえ、食味の高さも系統出荷では評価されないコメのブランド化など、すでに論外の発想だった。
多品目な野菜作りも、農産加工品作りも「収益性が高まる」ことは承知しているが、労力や経営を考えれば、「米を作る方が安定しているし、楽で良い…」。
 結局、昔ながらの稲作発想から何一つ変わることのない農業者が大方を占め、「前段作戦」も進まず、次第に拠点構想そのものが宙ぶらりんになった。

 だが、これにしびれを切らしたのが議会である。「拠点構想はどうなったのか?」という議会追及に町も抗し切れず、拠点施設の早期実現へと姿勢を転換。用地買収・基本設計・実施設計へとコマを進め、運営会社の設立にも着手した。

 そして1年後、着工となったのが、売り場300uにフードコート100u、惣菜&フードコート用厨房を併設した拠点施設だった。
 それと同時に発足したのが町民出資の運営会社だったが、社長には町の幹部が就任し、店長にはその町幹部が「中堅スーパーに長年勤務して店長経験もあるから」と推薦した、町幹部自身の旧友が就任した。
――要は、経営に素人同然の社長と、農業には何の縁もない店長の「二人三脚」で、もはやこの段階では、組織的な不安さえ広がり始める有様だったが、それでも開業までには1年間の時間的猶予があったため、筆者からは、最後の善処策として「残された1年間で、二つの戦術を徹底・確立するように」と進言した。

 一つは「多品目化」に関わる営農指導だ。地元平日客のニーズに応える「一定の品揃え」が図れるなら、「平日稼働に必要な売上の最低限度は確保できる」という考え方から指示したもので、その手法(連載4参照)も詳細に伝授した。

 もう一つは、「6次化」に関わるもので、出荷品の売れ残りを「産直→惣菜→飲食」のラインで可能な限り活用する戦術だった。
通常、残品は出荷者が引き取るが、残品が多くなれば、出荷をやめてしまう。これを防ぐために残品は運営会社が半額程度で買い取り、惣菜・飲食メニューに活用していくという「出荷食材のライン化」である。

 これらの戦術が実行されるならば、戦略・作戦の共有がなくても当面、最低限度の施設稼働はなんとかクリアできる――と考えた。
 だが、甘かった。それさえ実行されないまま拠点施設は開業した。(続く)

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