高木響正の戦略的提言

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zoom RSS 2016年度全国農業新聞連載「地域農業のプル戦略」No.07

<<   作成日時 : 2017/04/07 13:04   >>

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★「戦略無視」「ソフト軽視」のままで
★施設整備だけに飛びついた自治体



 ソフト事業を先行させて最終的には全メニューを有機的に導入し、地域農業の活性化を戦略的に推進してほしい」と提案された「旧・経営構造対策事業」――だが、その狙いはあまりに理解されなかった。
 受け手である各自治体や各農業団体は、同事業の本意を理解することなく、事業展開には「絶対不可欠なソフト事業」を取り入れることもなく、「半額負担で豪勢な施設が造れるなら…」と言わんばかりに、ハード事業のみに群がり、その導入にひたすら奔走した。
 しかも、自らの組織や地域にとって「都合の良い」「取り組みやすい」ハード事業だけを選択し、それらの関連施設を無機的に整備するだけに留まった。

 その結果は、どうであったか――。

 直売施設に関して言えば、ソフト事業で実施すべきニーズ把握やマネジメント研究もせず、中には専業農家による直売出荷を禁じた地域さえあったから、出荷するのはいや応なし、系統出荷からはみ出した「生きがい農家」ばかりなった。
 したがって「多品目化」への営農指導も始まらず、米麦中心の農業も依然として変わらず、出荷品は「地場産ならぬ爺婆産」とも揶揄された。
 しかも、地域の将来を顧みる必要もない高齢の出荷者ばかりで組合を構成したため、いつしか「売り場の縄張り争い」さえ勃発。若い農業者の参入余地がまったくない「高齢化直売施設」になってしまった…。
加工・飲食施設も、市場調査や販路開拓調査などソフト事業を実施しないまま整備を遂行し、しかも、その稼働には地域有志の加工グループなどに丸投げするようなケースが相次いだ。
 そのため、味覚も品質も価格も「農家の独りよがり」のような加工品があふれ、「似たり寄ったりの農家レストラン」が続出。いっときは「農家の手作り」と話題になっても、売上はすぐに鈍化し、どこも在庫を抱えるか、開店休業のような状業に陥った…。
 さらに市民農園や宿泊施設は都市部からのアクセスを顧みることなく、地域の都合で立地や敷地が決められて、安易に整備された。
 最初は物珍しさも手伝って人気を集めたが、その立地の悪さや不便さから次第に稼働率は低迷し、委託管理者への委譲、もしくは閉鎖へと追い込まれるケースが続出した…。

 結局、「ソフト軽視」「戦略無視」の実態だけが残り、終焉したのが、「旧・経営構造対策事業」であったと言っても、けっして過言にはならないだろう。

 そうした反省があるからこそもう一度、地域の将来を戦略として構想してほしい――それゆえの「プル戦略」連載なのであるが、歴史は繰り返されるのか…。
 次回からは、戦略ばかりか作戦・戦術に至るまでのソフトが軽視され、失敗に陥った、とある町の事例を紹介していく。(続く)





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