高木響正の戦略的提言

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zoom RSS 2016年度全国農業新聞連載「地域農業のプル戦略」No.06

<<   作成日時 : 2017/04/07 13:01   >>

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★「プル戦略」の原型は旧・経構事業
★事業に秘められた戦略・狙いとは


 筆者が紹介する「プル戦略」とは――国や各県・農業会議がかつて推進していた「旧・経営構造対策事業」――が、その原型である。
 同事業のメニューには「直売」「加工」「飲食」「市民農園」「宿泊」が掲げられ、ソフト&ハード事業が実施できる内容になっていた。
 中でも、市場調査や販路開拓調査、地域資源調査などを行う「事前のソフト事業」は、ハード事業の整備から運営までを成功へと導く「必須事項」として、その重要性が強調された。
 なぜなら同事業の背景には日本農業の根幹を改革していく「狙い」がいくつも秘められていたからだ。

 たとえば、「直売」事業には、米麦中心から野菜・果樹へと日本の農業構造を転換していく狙いがあった。
一般に直売施設を開設した場合、消費者は年間で130品目以上を求める。そうした地域消費者の必需のニーズを理解するならいや応なし、地域で「多品目化」への作付け体系転換を図らなければならず、そのための営農指導が必要になる。
 そうした営農指導が軌道に乗れば、直売品目だけでなく、市場系統の栽培品目にも直売での売れ行き情報が転嫁し、作付け体系は地域全体で自ずと進むようになり、脱・米麦農業も実現できる、と考えた。
また、「加工」「飲食」事業には、昨今で言う6次産業化の本意…消費ニーズへの「利便性対応」や「商流改革」といった狙いが込められていた。
 農業の業域を「加工」「飲食」にまで拡大すれば、農家にはその分が新たな収入源になるのは当然のこと。
…が、それ以上に量よりも質や利便性を求めるニーズを把握するなら、生産そのものも系統や直売とはまったく別の形態を模索するはずであり、また、それが農業と消費者を直結する、次代にふさわしい商流を創造していく、と考えた。
 さらに、「市民農園」「宿泊」事業には、田舎体験やふるさと体験を求め始めた首都圏人口を呼び込み、新たな後継者として確保していく、という狙いがあった。
 高齢化が著しく、耕作放棄地も拡大の一途をたどる地域農業…そこに、誰もが活用しやすい身近で便利な農業体験・宿泊施設を創出し、交流人口を増やして、これをIJUターンや地域定住者へと誘い込み、地域外から後継者を確保する、という考え方であった。

 ――そして何よりも、国や各県・農業会議では同事業に掲げられたメニューを単発・分解して導入するのではなく、「ソフト&ハードを含め、全メニューを有機的に導入し、地域農業の活性化を戦略的に推進してほしい」と提言し続けた。

 ――だが、残念ながら、そこに秘められた狙いや戦略は、あまりに理解されずに終わった。(続く)
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