高木響正の戦略的提言

アクセスカウンタ

zoom RSS 2016年度全国農業新聞連載「地域農業のプル戦略」No.02

<<   作成日時 : 2016/07/24 12:20   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 0

画像








★プッシュ戦略の対比にあるプル戦略
★労多くして功少なし「押し出し型」?

 いま、全国各地の自治体は、地域農業の活性化に向けて、「プル戦略」とは真逆に位置する「プッシュ戦略」に取り組み始めている。
 「プッシュ戦略」とは――地場の農産物や農産加工品を大消費地に持ち込んで、強引に売り込んでいくような「押し売り型」発想の戦略である。

 たとえば、「首都圏のマッチング見本市やふるさと市に地場産品を出品する」「都内の有名シェフに地場産品活用の料理をPRしてもらう」「都内にアンテナショップを開設して地場産品を売り込む」などが、この「押し売り型」の範疇になるだろう。

 中でもアンテナショップは昨今、多くの自治体が「バスに乗り遅れまい」と着手しているようで、すでに都内の同ショップ数は55店舗(都道府県42店舗・市町村13店舗)にも上る。
 しかも大型化が進み、延べ床面積500u以上が7店舗。昨年秋に島根・岡山県が共同で開店させた「とっとり・おかやま新橋館」は約1,000uの大型店だ。

 しかし、筆者はこうした「押し売り型」の戦略を、極めて懐疑的に眺めている。

 理由の第一は「全国ライバル論」である。
 都内に大型のアンテナショップが乱立する今日。そこには全国から秀逸な地場産品が集い、全国のライバルと比較されることになる。その全国ライバルに自らの地場産品は勝ち続けられるのか否か…。
 地方で多少人気の地場産品でも全国の表舞台に立てば、全国のライバルに真似されるか研究し尽くされる。そうした巨大な土俵の中で、永続的に人気を保つのはまさに至難の業だろう…。

 理由の第二は「効率性の悪さ」だ。
 通常の直売所でさえ「売り場100uで年間売上7,000万円」とされているのに、アンテナショップの年間売上は意外に低く、平均して1億円前後…。
 さらにマッチング見本市も商談の成立率は低く、成立しても商工業者は上手だから常套手段で翌年には値切ってくる。ふるさと市も売上より関係者の交通旅費が高くつく場合が多く、後日に期待する追加オーダーもほとんど来ない…。
 有名シェフによる地場産品活用のメニュー提案もしょせんは「一時の話題」で、ブームが過ぎれば、見向きもされなくなる…。

 そして理由の第三は「相乗効果の薄さ」である。
 アンテナショップに訪れる客の移動手段は公共交通機関。重い荷物は避けたがる。買うのは「小・軽的なモノ」を少量だけ。「ついで買い」はほとんど期待できない…。

 結局、「プッシュ戦略」は労多くして功少なし――。一方、この「プッシュ戦略」の真逆に位置する発想が、タイトルにも掲げた「プル戦略」である。前回登場したA町に6年前、提唱したのもこの「プル戦略」だった。

 プルとは簡単に言えば、地域に客を誘い込む「誘惑型」のこと…。では、どのよう客をに誘惑していくのか、次回から解説したい。(続く)


テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
2016年度全国農業新聞連載「地域農業のプル戦略」No.02 高木響正の戦略的提言/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる